私は和歌山県串本町で漁師の父を持ち、海、魚に囲まれた環境で生まれ育ったにも関わらず魚を食べることがあまり好きではありませんでした。
しかし、サラリーマンになれる性格ではなく、「一国一城の主」を目指した私が選んだのは、やはり「魚」だったのです。
ひたすら魚と向き合い、目を鍛え、納得のいく旨い魚だけをお届けしてきましたが、40年間の間に魚を取り巻く環境は変わり、保冷、流通技術は格段に進歩してきました。しかし、環境の変化により「よい魚」が入りにくくなったのが現状です。
旨い魚を食べていただくには、魚を見る目だけでなく、様々な変化に対する知識、情報について精通していかなければいけないと痛感させられます。
昭和45年に北山魚伊の看板（のれん）をいただき開店して以来、私が魚屋となった原点である「食べず嫌いの人に旨い魚を知って欲しい。食べて欲しい。」という想いから、来店いただくだけでなく電話でおススメの商品をお伝えし、配達するという、今の通信販売の基本となる形を取り入れてきました。
また、多くの人に「旨い魚」をとの想いと、良いご縁をいただき昭和50年には小売業だけでなく、ホテル、寿司屋、割烹、料理店等ともお付き合いをさせていただき、卸売業も始めることができました。
「お客様に旨い魚を届けたい」。その想いだけで走り続けてきた40年でしたが、小さな市場の一商店が株式会社に成長し、約8トン余りの生簀（いけす）で提供していたものが、平成2年に25トンの生簀に増設することで、より一層「旨い魚」を新鮮にお届けできるようになりました。
私を含め社員一同が「旨い魚を…、新鮮な魚を…」と思い続け、一丸となって頑張ってきたことで、優良施設店舗として「京都市衛生協会会長賞」の受賞や京都市衛生局長より表彰を受けた時は、日々の当り前の努力が認められたように感じ、皆で喜んだことを覚えています。
それを励みに、保冷、流通技術が進んだこの時代、もっと多くの人に「旨い魚」をお届けしたい。と平成10年よりネット販売を開始いたしました。
開業から初心を忘れることなく「旨い魚を知ってほしい」「旨い魚を食べて欲しい」とこだわり続けた40年、本当の「頑固おやじ」の風格をまとった私と、優しさ溢れる「看板娘」、無口な「頑固職人」たちが皆様に「旨い魚」を京都北山よりお届けいたします。
ぜひ一度お召しあがりください。
初めて「魚」と向き合い、自分が食べず嫌いだったことに気づき、魚の旨さを知りました。
自分と同じように食べず嫌いで魚を食べない人が多いのではないか。旨い魚を食べたことがないのではないか。そんな人に「魚は旨い」と知って欲しい。旨い魚を食べて欲しい。旨い魚を届けたい。
そんな想いから始め、早40年。「頑固おやじ」としてやってまいりました。